情報処理技術者試験合格者を輩出
1986年(昭和61年)
本校は1948年(昭和23年)に新制高等学校として再発足して以来、商業科単一学科のみを設置してきた。また、1973年(昭和48年)の教育課程改訂にあたり、それまでの類型制を廃止して選択制を採用したため、それ以後小学科も類型制も無い教育課程を展開していた。
このようななかで1985年(昭和60年)11月、翌年度から商業科10学級のうち1学級を転科する形で情報処理科を新設する旨の内示が県教育委員会からあった。
ただちに、重点目標及び教育課程編成上の留意点について検討が始まり、将来はソフトウェア技術者の不足が予測されていたため、情報処理技術者資格の取得が重点目標の一つとして掲げられた。
教育課程の編成にあたっては、教育目標及び重点目標に沿って、生徒が目的意識を持って積極的に基礎・基本を身に付け、さらに専門的に深い分野の科目を系統的に学習する事ができるよう考慮した。1987年(昭和62年)度にはさらに1学級増とし、商業科8学級、情報処理科2学級募集となった。
こうして情報処理科がスタートしたが、当初は専用の施設、設備が校内に無く、当面は県立教育センターを土曜日に限り利用させてもらう事で県の許可を得た。この教育センターはJR越後線内野駅から徒歩25分という、かなり不便な場所にあるため、生徒達は実習当日は直接教育センターに登校し、授業を受けた。この校外実習は1987年(昭和62年)11月に本校に専用コンピュータが導入されるまで続いた。
1987年(昭和62年)8月、初めて新潟県で開催された全国商業教育研究大会で、本校情報処理科は、1回生を対象にした資格取得を中心にした指導事例を発表した。既成の概念にとらわれない指導法は全国から注目され、本校と同じ目標を掲げた情報処理科が全国に相次いで誕生したといわれる。
1987年(昭和62年)11月、情報処理科専用のコンピュータシステムが導入され、システム起動式と記念式典が挙行された。このシステムにより生徒の実習効果の向上が図られるとともに、一般入試業務も能率的に処理できるようになった。
情報処理科の重点目標のひとつにあげた資格取得については、1987年(昭和62年)4月の通産省第2種情報処理技術者試験で、初の合格者を3名出し、翌年10月には第1種でも初の合格者2名が生まれるなど、高い実績を示した。
その後も本校の情報処理科は、先進的な専門教育を推進し、全国からの注目を集めつつ優秀な人材を輩出し続けている。
情報処理技術者試験
1969年(昭和44年)、当時の通商産業省(現:経済産業省)が発足させた、翌1970年に制定された「情報処理の促進に関する法律」第6条に基づく、プログラマを対象とした国家試験。現在は基本情報技術者試験、ソフトウェア開発技術者試験、初級(上級)システムアドミニストレータ試験など 14の区分がある。
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